最高裁判所第二小法廷 昭和27(あ)4048 判決
主 文
本件各上告を棄却する。
理 由
被告人Aの弁護人柏井義夫、被告人Bの弁護人山岡重良及び被告人両名の弁護人
鍛治利一の連名による上告趣意(後記)第一点について、
同一事件においては、訴訟手続はその開始から終末に至るまで一の継続的状態と
見るべきであつて、訴訟の如何なる段階においても唯一の危険があるのみで、そこ
には二重の危険というものは存在せず、一審の手続も控訴の手続も同じ事件におい
ては継続せる一つの危険の各部分たるにすぎないことは、当裁判所の判例とすると
ころである(昭和二四年新(れ)第二二号同二五年九月二七日大法廷判決「集四巻
九号一八〇五頁」、昭和二四年(れ)第五九号同二五年一一月八日大法廷判決「集
四巻 一一号二二一五頁」)。所論違憲の主張は右判例の趣旨に反する独自の見解
であつて、採用することを得ない。
同第二点について、
所論は憲法違反を主張するけれども、その実質は単なる訴訟法違反の主張に帰し、
適法な上告理由にあたらない(昭和二五年(あ)第二九八一号同二六年一月一九日
第二小法廷判決「集五巻一号四二頁」参照)。
同第三点について、
原判決の判示するところによると、被告人等は麻薬の所有者Cの依頼によつてそ
の売りさばきのため奔走したのであつて、所論新納の行為によつて本件犯意を誘発
されたものではないというにあるのであつて、所論違憲論は右認定に副わない事実
に立脚するものであるから、適法な上告理由とは認められない。
同第四点について、
所論は憲法違反を主張する点もあるが、その実質は単なる法令違反の主張に帰し、
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適法な上告理由にあたらない(昭和二六年(あ)第二四七六号、同二八年一月一三
日第三小法廷判決「集七巻一号一頁」参照)。
同第五点は量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。
よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
昭和九年一一月一二日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 栗 山 茂
裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 谷 村 唯 一 郎
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